リバビリン(肝炎の治療法)

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リバビリンとは

リバビリン(Ribavirin)は抗ウイルス薬で、多数のウイルスに効果を示します。

現在日本ではC型肝炎に対して認可されており、経口剤としてインターフェロン(注射)とともに用いる方法が標準的治療法とされています。インフルエンザウイルスやRSウイルスにも効果がありますが、副作用などのため使用されていません。

構造的には核酸類縁体であり、プロドラッグ(有効成分の前駆体)で、体内に吸収された後、細胞内での代謝により有効成分となり、これがウイルスの核酸複製を妨害すると考えられています。

1970年にICN社で合成されて開発が開始され、抗ウイルス薬として有効で毒性も弱いことが明らかにされました。当初は抗インフルエンザ薬として開発が進められたが、これは実用化されず、結果的には1990年代になりC型肝炎用に実用化された経緯があります。

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リバビリンの作用機序

リバビリンがどのように作用しているのかは不明な点が多いです。以下にこれまで言われている作用機序をあげておきますが、ちょっと一般の方には難しいと思います。

まずウイルスに対する作用(抗ウイルス作用)ですが、

1)肝細胞内のGTP (Guanosine triphosphate) の細胞内プール量を減少・枯渇させて間接的にウイルスの核酸合成を抑制してウイルスの複製を阻害する。
2)ウイルス感染細胞に作用してmRNAの5’末端のCap構造の合成を抑制し、ウイルス蛋白合成を阻害する。
3)ウイルスのRNA polymerase(RNA依存性RNAポリメラーゼ)を阻害する。

などが考えられています。

この他免疫学的機序なども報告されているようです。例えば、

1)生体のサプレッサーT細胞の機能を抑制し、抗体産生を増加させる。
2)Th1型サイトカイン(IFNγ)とTh2型サイトカイン(IL-4、IL-10)のバランスをTh1優位にする。
 ※ヘルパーT細胞の中でCTL(細胞障害性T細胞)に作用するものをTh1、Bリンパ球(抗体産生に関与)に作用するものをTh2と呼んでいます。

などで、このようにリバビリンは生体のウイルスに対する免疫応答を強くする働きもあるようです。

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