肝炎ウイルスの感染源は経口感染や血液を媒介とした感染など、肝炎ウイルスの種類ごとにいろいろな経路があり、それらを以下で紹介します。
飲食物
肝炎ウイルスに汚染された食べ物、飲み物を介して、肝炎に感染します。経口感染のA型肝炎とE型肝炎はこのような感染源で感染します。E型肝炎は日本では極めてまれです。経口感染の肝炎は日本ではほとんどA型です。
最近は衛生環境がよくなったので、国内での経口感染は激減しました。外国で感染する例が多く見られます。
輸血
肝炎ウイルスに汚染された血液の輸血を受けることによって、B型、C型を中心に肝炎に感染するケースが非常に多かったです。
現在では、献血用血液から感染血液を除くスクリーニング法が採用されたことによって、輸血後肝炎を大幅に減らすことができました。しかし完全になくなったわけではありません。
血液製剤
肝炎ウイルスは輸血を受けることで感染するだけでなく、血液で作られた血液製剤を介しても感染します。血液製剤をよく使用する血友病患者や透析者などが高い率で肝炎に感染しています。
血液製剤による肝炎感染もスクリーニング法の導入によって、ほとんど起こらなくなりました。
薬物の乱用
薬物乱用者の間で同じ注射器を使って、「回し打ち」をすることによって、肝炎に感染するケースが非常に多いです。
以前は、医師は同じ注射器で複数の人に注射するのが普通でした。過去においてはこうした医療行為も感染を拡大させました。
母子感染
出産時に起こる母子感染の例が非常に多いです。母子感染で特に問題となっているのはB型肝炎ですが、実はC型肝炎にも6~8%の確率で母子感染が起こっています。
家庭内感染
血液を介して感染する肝炎ウイルスを持った家族メンバーがいる場合、血液や血液の混じった唾液などを通じて、別の家族メンバーに感染する例があります。ただ、感染の確率がかなり低いです。
性行為感染
性行為は間違いなくB型肝炎、C型肝炎の感染ルートの一つです。しかし感染のメカニズムについてはまだ解明されていません。ある調査によると、C型肝炎患者の配偶者の10%ぐらいが肝炎に感染したということです。