肝炎母子感染の予防

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大人はB型肝炎に感染しても、ほとんどの場合、急性肝炎の段階で治癒します。キャリアになったり、慢性肝炎に移行するケースはめったにありません。通常、肝硬変や肝がんに進行する心配はありません。ただ劇症肝炎になることがあるので、注意が必要です。

子供特に乳幼児が肝炎ウイルスに感染すれば、キャリアになることがありますが、衛生環境が整った今日ではこうした水平感染のケースは極めて少数です。B型肝炎の感染で最も問題なのは母子感染です。

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子供が肝炎キャリアになる確率

母親がB型肝炎ウイルスのキャリアであっても、生まれてくる赤ちゃんの全てがキャリアになるわけではありません。赤ちゃんがキャリアになる確率は母親が持っているウイルスの状況によって異なります。

HBs抗原が陽性であれば、体内にウイルスが存在し、さらにHBe抗原も陽性であれば、ウイルスが活発に活動していることを意味します。こうした状況にある母親からの感染力が強く、生まれてくる赤ちゃんがB型肝炎ウイルスに感染し、80~90%という高い確率でキャリアになります。

HBs抗原は陽性であっても、HBe抗体が陽性であれば、ウイルスの排除が進んでいることを意味します。こうした状況にある時の感染力は弱く、生まれてくる赤ちゃんがウイルスに感染して、キャリアになる確率は低く、6~8%程度にとどまります。

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検査と予防接種

肝炎の母子感染を予防するために、厚生省は1985年から母子感染防止事業を開始し、1986年出生の新生児から防止処置を実施しています。妊婦のHBs抗原が陽性で、HBe抗原も陽性であれば、生まれてくる赤ちゃんに対して、公費負担で予防接種が実施され、1995年に同事業がさらに見直され、妊婦のHBs抗原が陽性であれば、生まれてくる全ての赤ちゃんがB型肝炎感染防止処置の対象になります。

現在、検査と予防接種の費用負担は以下のように変更されています。

公費負担妊婦HBs抗原検査
健康保険給付妊婦HBe抗原検査
新生児HBIG筋注(出生直後)、
HBs抗原検査(生後1~2ヶ月)、
HBIG筋注(生後2ヶ月)、
HBワクチン(生後2、3、5ヶ月)、
HBs抗原・抗体検査(ワクチン終了後1~2ヶ月)、
追加HBワクチン

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